テレビ放送は、昭和28年2月にNHK、8月に日本テレビの開局で幕を開けました。スポーツ中継が放送の中心に座り、大相撲、プロ野球、プロボクシング、プロレス各中継は大きな社会現象となりました。外国映画は、昭和31年4月にKRTが初めて、米国作品「カウボーイGメン」を放送、日本テレビは同年6月に英国作品「ロビンフットの冒険」を放送し外画放送の歴史が始まりました。共に日本語に吹き替えられていた両作品によって「声優」が誕生し「アフレコ」という言葉が生まれました。「スーパーマン」「名犬ラッシー」「ローハイド」「ララミー牧場」……吹き替えられた外画は「上手い日本語を話す外国人がいるものだ」と、一般視聴者に有名なエピソードを持って爆発的に支持されララミー牧場は最高視聴率41.1%を記録、年間72シリーズ放送という隆盛を迎えました。
国産テレビアニメは、昭和38年1月に、虫プロ製作の「鉄腕アトム」がフジテレビより放送されました。「有り難う、アトムに魂が入ったよ」手塚治虫がアトム役、清水マリさんに語った感謝の言葉は、感動を持って我々に語り継がれております。「エイトマン」「狼少年ケン」「鉄人28号」「ビックX」「0戦はやと」……外画での吹き替えの実績を持つ多彩な声優陣の参加で、アニメの音声はより一層魅力的な作品となりました。「画」と「音」の分業化メリットはこの辺りで始まったようです。現在、週100タイトル近い放送の原型の始まりです。
2006年、今年は「外画放送開始50周年」節目の年に当たります。生放送を経て、アフレコという声優文化は定着し、劇場映画・ゲーム・ケータイ・DJ・人形劇・CDドラマ等、音声業界は「画と音は車の車輪」として、多彩に活動の領域を広げて来ました。反面、音声製作業界も半世紀の時間を経て、貴重な声優の物故者も増えて参りました。宇宙戦艦ヤマトの富山 敬、ルパン三世の山田 康雄、高橋 和枝、城 達也……あの声は戻りません。自分の人生を回顧する時、様々に蘇る懐かしい作品の「あの声この声」。
子ども達の憧れとして人気職業の上位に位置する「声優」、世界中のアニメファンからも評価されだした「声優」、その文化活動をオフィシャルに顕彰する「声優アワード」の設立は、「声優」という職の持つ意味をあらためて見つめ直すことです。またその顕彰によって良質な日本語版製作を堅持し、言語の文化を次世代へ繋ぐよい機会となるでしょう。
声優業界の発展と人材育成の場として「声優アワード」を設立いたします。何卒ご理解いただき、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
声優アワード 実行委員長
南沢 道義